広報担当者向け! SNS運用がもたらす効果と運用ポイント
企業のSNSアカウントの開設当初は、手探りでの運用になるので、投稿する内容が見つからないなんてことはよくあることです。「最初はこういう投稿がしたい、こういうアカウントにしたいという思いはあったが、途中で断念してしまった」という広報担当の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、これからSNS運用を導入しようとお考えの広報担当者の方に、SNS運用によってもたらされる効果と運用ポイントを具体的に説明します。
そもそもなぜSNS運用をやるべきなのか
これまで、世間に広く認知するための広報手段は、テレビや新聞などのマスメディアを通した情報発信が多くを占めてきました。しかし、1990年代から 2000年にかけて、情報通信技術が急速に発展し、いわゆる情報化が進みました。個人のインターネット普及率も2009年には90%に達しています。(※厚生労働省:平成23年版 労働経済の分析より)
インターネットが普及し、個人の情報発信力が増加したことにより、今では口コミやSNSなど第三者による情報が、企業の信頼度に関わるようになってきています。NTTコムリサーチの調査によると、約8割の人が商品やサービスを購入する際に「クチコミが気になる」と回答しています。
また、SNSを通じた自社情報の発信は、消費者との接点を持つことを可能にします。SNSをうまく活用して消費者との接点を多く持ち、競合他社と差別化するためにも、SNS運用は広報担当者にとって軽視できないものになっているのです。
SNS運用が企業にもたらす効果
SNSはユーザーとの距離が近く、直接コミュニケーションをとることができるため、企業や商品のファンを増やすという意味でかなりの効果を発揮します。SNS運用によって企業にもたらされる効果は大きく分けて5つです。
①拡散力を活かした認知の拡大
どのSNS媒体も共通して持っている特徴として、「拡散力が高い」ことが挙げられます。「いいね」を獲得したり「シェア」をされれば、一気に認知度を高めることができます。また、自社発信の内容に口コミ(第三者からの評価)が加わることもあります。そうなると企業の信頼度も上がり、認知拡大とブランディングの両方のメリットを得ることができます。
②定期的な接触によるファンの獲得・育成
投稿内容がユーザーにとって有益な情報であれば、認知の拡大とともに、一定数のファンの獲得も見込めます。また定期的に投稿し、ユーザーとの接触回数を増やすことで関係性を深めることができ、ファンの育成も同時に行えます。
③群集心理によるブランディング
SNSによっては友達もしくは友達の友達と繋がることで仲間意識が強まることが期待できます。仲間内で評価を得ているという群集心理からさらなる親しみを感じやすくなり、企業イメージを作るブランディングにも繋がります。
④オフラインでは繋がらなかった見込顧客の集客
SNSの拡散力を使って、オフラインでは繋がらなかった見込顧客の集客も期待できます。投稿が拡散されれば、その人のフォロワーへの認知の拡大も見込めます。また、前述のファンの獲得・育成やブランディングによってその効果をさらに高めることが可能です。
⑤SNS露出による新卒・中途採用への影響
SNSは、不特定多数の人に会社の風土や強みをアピールすることができるので、採用活動においても効果が期待できます。SNSに露出していると、求職者が入社前に会社の情報を知ることができるので、会社への信頼性の向上にも繋がります。
企業で運営すべきSNSとその特徴
現代では複数のSNSが広く普及しており、その特徴やユーザー層はSNSごとに異なります。複数のSNSを使って広い範囲の消費者にアプローチができることが理想ですが、やみくもに更新するだけではその効果を得ることは難しいです。
どのようなユーザー層に、何を発信したいのかターゲットをはっきりさせて、その目的に合ったSNSを選択し、戦略的に運用することが企業広報の成功を握る鍵となります。
ではSNSごとの特徴から目的に合ったSNSを探して見ましょう。
アクティブユーザー数:2,600万人(2020年11月現在)
年齢層:40代が最も多く、比較的男性が多い
テキスト・画像・動画と様々なフォーマットに対応しているFacebookは、業種業態問わず様々な分野で幅広く使われています。ユーザーは30~40代のビジネスパーソンが多く、実名登録制のため信頼性が高いのが特徴です。友人のみならずビジネス関係者や上司とも繋がっている人も多いため、投稿内容は比較的真面目なものが多く、知識を得るお役立ち情報などが好まれる傾向にあります。ただし、Facebookのプログラム上、フォロワー全員のタイムラインに表示されるわけではないので、運用には注意が必要です。
アクティブユーザー数:4,500万人(2020年11月現在)
年齢層:20代が多い
リツイート機能により、全く知らない人にアプローチできるため、SNSの中で最も拡散力が高いのが特徴です。タイムラインと呼ばれる画面上に、リアルタイムに情報が飛び交います。140文字までという文字制限がある分、短い文章で気軽に発信できます。
日常的な出来事の発信など人間味あふれるツイートをすることで心理的な距離を縮めることが可能なため、親近感を持ってもらいやすいですが、匿名でアカウント作成もできる性質から、炎上リスクも高いのでオフィシャルで運営する場合は投稿内容に細心の注意が必要です。
アクティブユーザー数:3,300万人(2020年11月現在)
年齢層:20代が最も多く、女性が多い
写真や動画がメインのため、写真映えするファッションブランドや飲食店、コスメなどが強いのが特徴です。視覚を刺激した購買意欲を高めることを得意とし、若年層の女性から支持を得ています。
また、他のアカウントに比べ統一感を出しやすいため、ブランディングに向いています。企業だけでなくお寺や神社などもオフィシャルアカウントを持って、ブランディング活動している事例もあります。
フォロワーを増やすための更新頻度は?
適切な更新頻度も、SNSごとの性質によって異なります。ここでは、Facebook・twitter・Instagramそれぞれの適切な更新頻度をご紹介します。
◎Facebook
平日に投稿するのがベスト。更新頻度は週3~5回程度。投稿頻度が高くになるにつれて、ユーザーの反応率が下がる傾向にあります。また、Facebookはタイムラインが1社の投稿で埋め尽くされることを嫌います。このため、1日2回以上投稿すると、1回目の投稿の効果が薄れる可能性があります。
◎twitter
ツイッターは情報量が命です。1日10回以上投稿しても構いません。オススメの投稿頻度は毎日1投稿。無理なく続けられる更新頻度を選びましょう。内容に困ったときは、同じ投稿をしたり、昔の投稿をリツイートするなど工夫をしましょう。
◎instagram
2~3日に1回投稿するのがベスト。Instagramで毎日投稿すると、しつこいという印象を与える可能性があります。オススメは、投稿する日を決めて2~3日に1回投稿すること。もし毎日投稿するのであれば、ストーリ機能を使うといいと思います。
ここではオススメの投稿頻度をご紹介しました。しかし、必ずしもこの投稿頻度に合わせないといけないわけではありません。更新頻度が低すぎるのは良くありませんが、あくまでターゲットに合わせた投稿頻度を意識しましょう。
また、投稿する時間帯にも注意してください。ビジネスパーソンであれば出勤・お昼・帰宅時間などターゲット層が反応する時間帯を分析し、投稿時間を絞っていきましょう。
フォロワーが増える投稿内容とは?
具体的にどんな投稿がフォロワー獲得に繋がるのでしょうか?媒体によって多少の違いはありますがSNS運用において意識するポイントはシンプルに以下の2つに集約されます。
①ユーザーにとって有益な情報か
ユーザーは企業が発信している内容が、自分にとって有益な情報であるかでフォローするかどうかを決めています。そのため、1度フォロワーになったとしても、自分にとって有益だと感じなくなるとフォローを外される可能性もあります。自分たちが発信したい情報と、フォロワーが欲しがる情報(役に立つ情報)の両方を取り入れた、ユーザー目線に立った内容にすることが重要です。SNSはあくまでも信頼関係を築くためのメディアです。広告宣伝だけを目的とした利用は逆効果になってしまいます。
良い例:「〇〇お役立ちノウハウ」など見る人にとって利益のある発信
悪い例:「〇〇が新発売されました!」という企業目線の発信
②投稿に一貫性があるか
ただ闇雲に毎日投稿すればフォロワーが増えるというわけではありません。むしろ、投稿内容に一貫性がなければユーザーに不信感を与え、フォローを外されてしまう恐れがあります。逆に、投稿内容に一貫性があると、フォローしてくれているユーザーに安心感を与えられるだけでなく、企業ブランディングも可能にします。事前に「誰に・何を・どのように」届けたいのかを整理し、企業アカウントのコンセプトを明確にしておきましょう。
良い例:広告の会社が広告に役立つノウハウを発信する
悪い例:ものづくりの会社なのにIT系の発信をする
SNS運用上の注意点
SNSはうまく活用できれば、広報・マーケティング・PR・ブランディングと様々な面で効果を得ることが可能です。その反面、炎上するリスクもあります。炎上リスクがあることも理解した上で、運用方針と社内ルールを定めておきましょう。SNSを運用した結果は、企業がコントロールできるものではないので、100%炎上を防ぐことは不可能です。不用意な一言が、会社の社会的信頼を一気に失う引き金になりかねません。
また、SNSを更新する広報担当者だけでなく、従業員が個人アカウントで発信した内容も、リスク発生の要因として大きな割合を占めています。社内研修で炎上したときの対応方法を共有しておくなど、事前に対策をしてリスクを減らしながら運用しましょう。
SNSで炎上しやすい内容
①差別的な表現(人種、性別など)
例)女性だから〇〇や、肌の色で差別するような投稿など
②性的なことを連想させる内容
例)露出の多い画像を使ったり、性的な表現に受け取れる言い回しなど
③モラルに欠けた悪質行動
例)目を引くために尖りすぎた非常識な投稿をするなど
まとめ
今回は、SNSがもたらす効果と運用ポイントについてご紹介しました。これからSNSを本格的に運用する方も、もうすでに運用をしている方も是非この記事の内容をご活用ください。
SNSを日々更新することは、労力と時間を必要とするものです。すぐに結果が出なくても、コツコツと続けることが大切です。また、無理せず運用するためにも、リスクをしっかり理解したうえで、計画的に運用をすることをおすすめします。
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