「一発屋」にならない恒常的なメディア出演に向けた施策とは
創業80年の歴史を持つ石川鋳造株式会社。同社が展開する「おもいのフライパン」は発売直後から話題になり、TBSの「ビビット」日本テレビの「シューイチ」でも相次いで登場。大ヒット商品となった。同社の石川鋼逸社長に話を聞いた。
メディアに出続けることで信頼度が蓄積する。
メディチョク:2019年にメディチョクを導入されましたが、それ以前の広報戦略はどのようなものでしたか?
石川社長:基本的には何もしていませんでしたが、2017年12月に「おもいのフライパン」を発売した際、たまたまSNSで情報が拡散されました。それをきっかけに2018年には「ビビット」「シューイチ」に出演。最大で入荷が3年待ちになるほど注文が殺到しました。その後しばらくは「おもいのフライパン」をずっと作っていました。2019年に入り、注文がある程度落ち着いてくると、そろそろ次の打ち手を考えなければいけないと思い始めました。
メディチョク:実際にメディアに取り上げられた実感としてはいかがでしたか?
石川社長:鋳物のフライパンは他社からも出ていますが、自宅でお肉をおいしく焼くための条件である「重いこと」と「無塗装であること」を満たすのは、「おもいのフライパン」が最初です。それでも早い段階で「ビビット」、「シューイチ」に取り上げてもらったのは、基本的に運が良かっただけでした。引き続きメディアに取り上げられるような動きができなければ、単なる一発屋で終わってしまうという危機感がありました。
メディチョク:恒常的にメディアに取り上げられることを課題と仰いましたが、具体的にどんな行動を起しましたか?
石川社長:メディアに向けたアクションは大きく二つ。一つはプレスリリース。もう一つは「おもいのフライパン」に続く、次の人気商品を生み出そうという動きです。とはいえ当時、メディアへの働きかけ以上に優先していたのは、「おもいのフライパン」を一日でも早くお客様にお届けするための仕組みづくりです。「makuake」のクラウドファンディングで資金を調達し、生産ラインへの設備投資を行いました。
メディチョク:メディチョクを導入したきっかけについて教えて下さい。
石川社長:プレスリリースに力を入れることの重要性は感じていましたが、自分たちはその分野の専門家ではないので、どこかにお願いしたいと考えていました。その矢先にメディチョクのリリースセミナーに参加しました。セミナーの内容から、メディチョクの取り組みと僕らがやろうとしていることが重なっていると感じたので、お任せすることを決めました。
メディチョク:メディチョク導入後、ウェブや雑誌などでも数多く取り上げられました。これまでは地上波がメインでしたが、それ以外の媒体でも紹介されることで、どんな効果がありましたか?
石川社長:結局広報は積み重ねだと感じます。一度載ったからといってすぐに影響があるわけではありません。取り上げられ続けることで信頼度が蓄積されていくと思うので、色んな場所で紹介していただける機会があれば良いなと思います。
夢は「ご家庭でお肉をおいしく食べてもらいたい」
メディチョク:今後の目標を教えて下さい
石川社長:日本には5500万世帯あって、鋳物のフライパンを使っている家は約550万世帯。残りの4950万世帯は今後僕らのお客様になり得ます。とても僕が生きている間に作れる数ではないです。ですから目下の目標としては、5年以内に全体の1%、55万世帯に「おもいのフライパン」を届けたいと思います。
メディチョク:鋳物のフライパンにも、多くの競合製品があるかと思いますが、
それら製品についてどう思いますか?
石川社長:いくつかありますが、ライバルだとは考えていません。争うのではなく協力して、鋳物のフライパンのシェアを増やしていきたいですね。同じ鋳物ですが他社製品とはコンプセプトは全く異なるので、お客様に選択肢ができればいいと思います。また面白い話ですが、他社製品がテレビに出ると「おもいのフライパン」の売上も上がるのです。逆も然りです。
メディチョク:最後に、より長期的な展望をお聞かせください
石川社長:家でもお肉をおいしく焼いて食べたい。それは僕が子どもの頃から抱いていた願いです。同じ思いを持っている人はきっと世の中にたくさんいるはずですから、僕は彼らの願いを叶えたい。多くの方に「おもいのフライパン」を使っていただいて、ご家庭でお肉をおいしく食べてもらいたい。それが一番の夢であり目標です。